なぜ責任は現場に押し付けられるのか

リスクと責任

事故やトラブルが起きたとき、
最初に問われるのは、たいてい現場です。

「なぜ防げなかったのか」
「なぜ確認しなかったのか」
「なぜ報告しなかったのか」

問いの向きは、常に下へ向かいます

責任は、上で決まり、下で回収される

現場の条件は、現場では決められていません。

  • 工期をどうするか
  • 人員をどれだけ投入するか
  • どこまでコストを削るか
  • どの業者に任せるか

これらは、ほとんどの場合、現場の外で決まっています。

しかし、問題が起きた瞬間、責任は現場に集まります。

決定権と責任の所在が、一致していないことをよく見聞きします。

この構造は、多くの組織に共通しています。

現場は、選択肢を持っていない

現場には、理想的な選択肢がないことが多くみられます。

  • やるか、やらないか
  • 進めるか、止めるか
  • 見過ごすか、指摘するか

どれを選んでも、問題が残ります。

だから現場は、
「最も問題が少なそうな選択」をします。

それは、合理的な判断といえます。

しかし、その判断が、後から「間違い」と呼ばれることがあるのも事実です。

責任とは、結果に貼られるラベルに近い

事故の前には、誰も「責任」をほとんど意識していないのが実情です。。

あるのは、

  • 期限
  • コスト
  • 空気
  • 暗黙の了解

責任は、結果が出た後に、初めて姿を現します。

つまり、

責任とは、原因ではなく、結果に貼られるラベルに近く、このことは、あまり語られません。


現場が本当に恐れているもの

現場が恐れているのは、事故そのものでしょうか。

  • 「なぜ止めなかったのか」と言われること
  • 「報告しなかったのか」と問われること
  • 「想定できたはずだ」と後から言われること

ではないでしょうか。

現場は、未来の評価を恐れながら仕事をしているのかもしれません。

その結果、リスクは表に出にくくなります。

責任を理解するには、構造を見る必要がある

誰が悪いかを探すと、議論は必ず感情的になるでしょう。

しかし、構造を見ると、別の結論が見えてきます。

責任は、
個人の問題というより、配置の問題に近いのではないでしょうか。

現場は、責任を引き受ける場所として設計されてないでしょうか。

そう考えると、多くの出来事が、少し違って見えてきます。

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【免責】

※ この記事は、合同会社正進(メディア事業)の経験と、現場での考察に基づくものです。正進の母体である正進総合保険企画(2004年開業・損害保険代理店)の知見も含まれますが、建設業に関する専門的な技術的助言ではありません。個別の事案については、必ず専門家にご相談ください。

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